Vol.12 母子劇場「とおくのせんそう」を観る
◆開催内容◆
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ものがたり
息子の優希が自立して働き始めたので、お母さんは遠くの戦禍の国の難民キャンプに暮らす健気な男の子アブドゥールの里親になりました。
月に五千円はきついけれど、豊かで平和な日本で生まれて育ったお母さんは何かしてあげたいと頑張ります。
戦争も知らないし、命を脅かす貧困もない…って思っていました。
息子がある決意をするまでは…。
戯曲:篠原久美子 演出:西山水木
出演:西山水木(母親役) 小山貴司(息子役)
出演者より
『とおくのせんそう』
すっとぼけた母と(まだボケてません)しっかり者の息子、小山貴司(血はつながってません)のユニット、母子劇場です。はっ、私が代表かどうか息子にまだ聞いていません。
五十代後半の私たちが享受した豊かで平和な日本での生活を、子どもたちに渡せなかったことを本当に悔いています。
「命は大事」「仲良くしなさい」「平等に分けなさい」という言葉は、人が社会に関る前に、お母さんから命そのままで受け取る本能的な価値観なんだそうです。
そうです、これを知らなければ、人は社会の中で生きて行けません。
また、この言葉を共有する人間関係のまとまりが社会なんだそうです。淋しくて、辛くて、憎しみで、お母さんを忘れそうなとき、演劇はお母さんにかわってこのことを思い出させてくれるはずです。
マイナスもプラスも感情をすべて舞台上でかき混ぜて、終演後はみんなニコニコ、ゆるされながらお母さんの言葉を思い出します。
…そんな舞台が作りたいんです。
哲学でもイデオロギーでもなく。子どもを産んでも産まなくても、テレビから聞こえる飢えた赤ちゃんの泣き声にお乳が張って痛くなる。
すぐに駆け寄って抱き上げたくなる。お母さんたちはそういう形で世界を感じています。劇中の「パレスチナ里親運動」というのは詳しくはここをごらん下さい。
戯曲作者より
2008年~09年のすさまじいガザ攻撃に心を痛め、「希望は戦争」だと言う日本の若者の現状に衝撃を受け、調べ、怒り、泣き、考え、『とおくのせんそう』を書きました。
今、世界はこれまで国家が想定していた戦争とは異なる抑圧、暴力、虐殺が渦巻いています。どうかそれを、日本の食卓に乗せて、考えていただければと思います。
郷里、茨城での公演に、心をよせて…
劇作家 篠原久美子
主催者より
フランスやドイツで起きたテロ事件。テロという行為そのものは許すべきものではないですが、その背景にあるのは先進諸国の中にある移民に対する不寛容さなのではないか?とも感じます。
テロ行為への反発が、イスラムの人たちへの反発や差別につながってしまうのは人が弱いからなのか?「負の連鎖」を止めることはできないのか?ニュースを見るたび問いかけずにはいられません。
「とおく」で起きていることのように感じる出来事も、今ここを見つめてみると私たちの身近なところでも「排外主義」や「差別」は存在し、「不寛容」「無理解」「無関心」によって増長する可能性をはらんでいると思います。
「とおくのせんそう」はわたしたちの内側とつながっている・・・そのことを感じさせてくれるこのお芝居を観て、みなさんと語り合う場をもちたい。そんな思いで企画しました。
太平洋戦争が終わって70年。この間日本という国は直接的には戦争をしないでこれました。これから先も「戦争放棄」を継続し続けられるかどうか、それはすべて私たちの意志にかかっていると思います。
話題提供者
西山水木さん
女優
生年月日:1957年11月1日
出身地:佐賀県
特技:九州方言・ダンス・パントマイム
桐朋学園芸術短期大学演劇専攻卒業
桜美林大学講師
【受賞】
初日通信大賞助演女優賞 受賞(1988/89)
第5回読売演劇大賞優秀女優賞 受賞(1998)
大学卒業後、1978年に劇団青年座に入団。退団後、1984年にE.Dメタリックシアターを創立(~1992)。
1992年プロデュースユニット「あ・ち・ちパーティ」を主宰し、作・演出・振付け・出演を務める。
その後も前衛劇から古典とのコラボレーションまで、様々な演劇シーンで活躍。
1999年に明樹由佳とともにLa Compagnie An(ラ カンパニー アン)を結成。海外でも数多くの公演を果たし、高い評価を得る。
以後、国内でも数々の作品を上演し、音楽・マイム・ダンス・DJを融合させた独自の演劇スタイルを確立している。
出演作等、詳細はコチラ。
小山貴司さん
俳優
出身地:静岡県
生年月日:1987年11月2日
所属:世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
2008年10月、「世の中と演劇するオフィスプロジェクトM」主催の『離宮のタルト』のオーディションに参加。
演劇経験を全く持たない大学生ながら、抜群の素質により合格。
同作品ではカリブ植民地の奴隷役として、サッカーで鍛えた身体を以てダンスシーンもこなすとともに、日常ではあり得ない切羽詰まった状況での感情の起伏を的確に見せた。
演劇経験豊富な俳優の集まる稽古場や宴会に、自然体で存在できる物怖じしない性格も演劇向き。すっきりとした現代的な立ち姿も魅力のひとつ。
非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング「Re:カクカクシカジカの話」(スペースゼロ)の主役マサト役で、新鮮な印象を与えた。
アンケート
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今、世界はこれまで国家が想定していた戦争とは異なる抑圧、暴力、虐殺が渦巻いています。どうかそれを、日本の食卓に乗せて、考えていただければと思います。
郷里、茨城での公演に、心をよせて…
劇作家 篠原久美子
「とおく」で起きていることのように感じる出来事も、今ここを見つめてみると私たちの身近なところでも「排外主義」や「差別」は存在し、「不寛容」「無理解」「無関心」によって増長する可能性をはらんでいると思います。
「とおくのせんそう」はわたしたちの内側とつながっている・・・そのことを感じさせてくれるこのお芝居を観て、みなさんと語り合う場をもちたい。そんな思いで企画しました。
太平洋戦争が終わって70年。この間日本という国は直接的には戦争をしないでこれました。これから先も「戦争放棄」を継続し続けられるかどうか、それはすべて私たちの意志にかかっていると思います。
生年月日:1957年11月1日
出身地:佐賀県
特技:九州方言・ダンス・パントマイム
桐朋学園芸術短期大学演劇専攻卒業
桜美林大学講師
【受賞】
初日通信大賞助演女優賞 受賞(1988/89)
第5回読売演劇大賞優秀女優賞 受賞(1998)
大学卒業後、1978年に劇団青年座に入団。退団後、1984年にE.Dメタリックシアターを創立(~1992)。
1992年プロデュースユニット「あ・ち・ちパーティ」を主宰し、作・演出・振付け・出演を務める。 その後も前衛劇から古典とのコラボレーションまで、様々な演劇シーンで活躍。
1999年に明樹由佳とともにLa Compagnie An(ラ カンパニー アン)を結成。海外でも数多くの公演を果たし、高い評価を得る。 以後、国内でも数々の作品を上演し、音楽・マイム・ダンス・DJを融合させた独自の演劇スタイルを確立している。
出演作等、詳細はコチラ。
出身地:静岡県
生年月日:1987年11月2日
所属:世の中と演劇するオフィスプロジェクトM
2008年10月、「世の中と演劇するオフィスプロジェクトM」主催の『離宮のタルト』のオーディションに参加。 演劇経験を全く持たない大学生ながら、抜群の素質により合格。
同作品ではカリブ植民地の奴隷役として、サッカーで鍛えた身体を以てダンスシーンもこなすとともに、日常ではあり得ない切羽詰まった状況での感情の起伏を的確に見せた。
演劇経験豊富な俳優の集まる稽古場や宴会に、自然体で存在できる物怖じしない性格も演劇向き。すっきりとした現代的な立ち姿も魅力のひとつ。
非戦を選ぶ演劇人の会ピースリーディング「Re:カクカクシカジカの話」(スペースゼロ)の主役マサト役で、新鮮な印象を与えた。